[コメント] モンパルナスの灯(1958/仏)
最初に「事実を元にしたものではあるが、全てが事実ではない」との字幕が出るが、いかにドラマティックにしようと画策したにしろ、生前のモディリアーニが全く評価されていなかったり、同時代の画家たちと没交渉な孤独な男であったり、といった歴史の改竄は酷すぎるのではないか。(05年7月追記、『モディリアーニ 真実の愛』の鬼のようなスタッフについて)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
痩せても枯れてもモディリアーニはエコール・ド・パリの有力な旗手であり、また作中で皮相的に比較されるセザンヌにも充分な敬意を払っていた。そんな彼の才能を数少ない友人たちとあくどい画商だけが見抜いていた、というのは随分あざといストーリーだ。
どうせ興味本位の物語にするなら、もっと「いい」エピソードがあるんじゃないのか?そう、モディリアーニの死を追うように、彼の子供を身ごもったジャンヌが投身自殺した、という劇的な事実だ。…もっとも、そこまで描いていたなら、この監督のダーティさはほとんど信じられないレベルまで達していたということになるだろうが。
追記(05年7月)…などと思っていたら、『モディリアーニ 真実の愛』なる映画ではそのエピソードを積極的に取り入れるようだ。全く、観客の血涙を絞るためには活動屋は鬼にもなるものなのだなあ…。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。