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[コメント] U・ボート(1981/独)

3時間半になって戻ってきたディレクターズカット版。閉塞的な空間で一人一人の若人の苦悩、未来への息吹、戦争と家族・恋人などを丁寧に描き尽くしたと思う。
セント

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







意外や戦争映画によくある戦闘場面がほとんどなく、ほとんどが艦内での出来事に終始しているが、まああれほどの男だらけのむささを人間性豊かな映像に変換させているところがまず素晴らしい。まるで寄宿舎の学校のような人間劇のようにも思えるのだ。

とはいえ、潜水艦から3隻の船を打破するなど見所もあるが、そんな場面でも船から逃げ遅れて海へと投身する兵士に同情する船長などヒューマニズムが所々に横たわっている。

やはり圧巻はジブラルタルの難局を乗り切ってイタリアで無事寄航する時の戦争のむごさであろう。それまでのヒューマニズムさえすべて断ってしまうほどの見事なリリシズムである。戦争の実態である。素晴らしい戦争映画であり、この映画を見たことの喜びを今噛み締めている。

(評価:★4)

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