[コメント] いぬ(1963/仏=伊)
渋い雰囲気が全編にただようのは良い。いろいろと、全体的にシンプルな映画なのだが、設定というか物語だけは妙に手が込んでいて、途中で何が起きているのかわからなくなるようなところがあった。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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終わりの方になってようやく、要はこれ、密告者は誰だ?という謎解きの映画でもあったのね。てっきり密告者が誰かは自明であり、後はそれにどう落とし前をつけるかという暗黒街の掟みたいなものを描いたものだと思っていたから、中盤はいささか混乱した。
ただ公開当時ならすでにスターであったジャン・ポール・ベルモンドが汚れ役をやるのかみたいなう先入観のようなものが観客にもあるから「ええっ!どうなるの?」という引き込まれ方もあるのだろうが、私には観ている時は誰がベルモンドかわからなくて、てっきり最初に登場したム所帰りが主役だと思って観てたから、「いぬがえらくかっこよく描かれるなあ?」と思ってて、観終わってはじめて「ははあ」となった次第だ。
それで全体的にシンプルな映画だけに、物語がくどいくらいに込み入って感じられた。あとね、女優は少なかったけど、あの二人の女優は俗に言う「年増」かもしれないけど「色気」があってよかったよ。
最後、ギャングの末路は悲惨だというのが当時のフィルム・ノワールの矜持だったのかなあ。
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