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[コメント] 愛と哀しみのボレロ(1981/仏)

ビデオで観たのは去年の12月。去年の11月頃調べものをしていた図書館で、偶然この映画のパンフレットを見つけ、それから数日くらいのうちにベジャールの訃報を知って。2008.11.26
鵜 白 舞

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この映画からは縁というのを考えさせられる。最後にあの赤いお盆の上で踊る中継には、この映画の登場人物やその子ども達がそれぞれ関わってくる。それぞれのドラマを背負ってきたまるで縁のない人たちが、あの瞬間に一同に会する。逆に言ってみれば、あの瞬間の縁を作り出すために、それぞれのドラマがあったわけだ。

話が飛ぶが、私もあの図書館へ行かなかったら、ベジャールの訃報を知らなかったら、この映画を観ることはなかっただろう。これも何かの縁とやらだ。

ボレロがテーマ曲になっているのも感慨深い。ボレロが色々な楽器で同じ旋律を奏でるように、複数の家族がそれぞれ恋をして子どもを産んでという、似たようなドラマを作り出す。で、楽器が集まって大盛り上がりの曲の最後と同じく、ばらばらの登場人物が集まって見事な舞台を作り出す大団円。ボレロが唐突に終わって去っていくように、集まった登場人物もこの瞬間を最後に別れ、皆が集まることは2度とないだろう。

(評価:★5)

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