[コメント] 愛と死をみつめて(1964/日)
この演出では「愛と死が怖くて」に近い。真に「愛と死をみつめて」演じていたのは笠智衆だけだ。
とはいえ、吉永小百合が自らの限界ギリギリで可憐さをフューチャーしきった感のある迫力。死ぬ気まんまんで気合はいりまくり。一方の浜田光夫は相変わらずだ。切れが無い。
しかし、やっぱ残念だったのは吉永さんの歌とナレーションにある。画面の中の彼女は気丈に明るく振舞っているのにナレーションが伝えるのはもう死にたい死にたいみたいな元気のなさとかわいそうかわいそうっていう気持ち。歌も必要以上にどんより哀しさをアピールする余りただ単に悲哀さの押し売り状態だ。辛い病気でも頑張って生きていこう!みたいな希望も併せ持つ感が全く感じられない。ま、バケモノ言われりゃバケモノだろうが凹む。あそこはいっそナレーションで愚痴をこぼしてもよかったんじゃねーかと。或いは完全に第三者というスタンスのナレーションを持ってくるとか。ていうか、ナレーションがいらねーと思うわけだが。
とりあえず、我が女神・広末涼子様様が演じたドラマ版「愛と死をみつめて」が吉永さん以上の快演を魅せたので、もうこの映画は全くどうでもいいってのが本音だったりするわけで、これ以上なにを言えと。せっかくだからテレビドラマじゃなくて映画で見たかったな。特に25歳過ぎのヒロスエによる女子高生。これを大スクリーンでババーンと。もうね、これはハッキリ言って「ヒロとスエをみつめて」ってタイトルでもオレはOKですよ。とりあえず、こっちの映画の価値は無くなったとオレは断言したい。
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