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[コメント] デッドマン・ウォーキング(1995/米)

尼さんのエゴイズム
おーくらくん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







死刑制度反対を主張した映画だが、そのアプローチが単純すぎる。スーザン・サランドンが僕を泣かせようと神に祈る演技をしているが、心に響かない。“あいつは人間以下の動物だから殺しても良いのだ”という極論の主張を対比に持ってきて生命の平等を説こうとしているのだろうか。人間以下だから、動物だから殺して良いというのか。ここには、反捕鯨運動でも見られる彼らの極度に歪んだ倫理観が見受けられる。

シスター・スーザン・サランドンは何のために死刑囚や、あまつさえ遺族を訪問するのだろうか。宗教における、“自分も幸せだから他の人にもこの幸せを感じて欲しい”的自分勝手な行動にしか思えない。自分の思い込みこそ唯一絶対のものと信じ、他人が自分の行いによってどのように感じるかということは考えない。神に祈り、救いを求めたところで犠牲者が生返るわけではないし、ましてや自分の犯した行為の贖罪はなされない。自分の犯した罪を告白したところで救われるのは加害者の罪悪感程度のものである。

(評価:★2)

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