[コメント] ポンヌフの恋人(1991/仏)
私の中で胸の鼓動と冷めた視線が交互に立ち現れる。(レビューはラストに言及)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
アレックスが夜空に火を吹くシーンや花火のシーン、地下鉄内のポスター炎上シーンや雪上の再会のシーンなど印象に残る場面は枚挙に暇がないが、私がもっとも好きなのは街を歩く二人がクラブの外側から中を覗くシーン。明滅する光の中で浮かび上がるたくさんの足、ここでのアクションを観ているとレオス・カラックスの前作『汚れた血』でもおぼえた昂揚感がまざまざと甦ってくる。
だが哀しいかな、寄る年のせいか昂揚感が作品中ずっと長続きするわけではなく、「目覚めよパリ!」なんていかにもカラックスが得意げにペンをすべらせたセリフを聞かされると、はたと現実に引き戻され、冷たい視線を送ってしまう。私の中でそうした感情の起伏が作品中に何度も繰り返される。
ところで、あのラストはてっきりアレックスが強引に巻きこんだ心中で、あの船は三途の川の渡し舟だと思っていたのだが(その後の船の中での奇妙な言葉のやり取りなど)、それは的外れな指摘だろうか。いずれにせよ、急ごしらえの追撮でとってつけたように感じさせるラストではあるが。(★3.5)
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。