[コメント] 男はつらいよ 望郷篇(1970/日)
D51の描写、額に汗する職業は尊いのよ。さくらの情感。シリーズとしては良質の出来だが、前半・後半のバランスに疑問
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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遊び人の父と水商売の母に捨てられた寅の出生。このイメージに充たされた前半。喜劇では人は死なないのが約束。北海道の親分はあっさり死んじゃうし、この悲劇性をどうやって喜劇に持っていくんだ、とかなり心配して見ていった。
それが寅のキャラクターだけではちと弱い。やはり物語として後半救ってくれないと。そう思うとラストの長山藍子の「どうしてお店をやめちゃったんだろう」の能天気ぶりも不自然。天然キャラを担うには長山はあまりに庶民的すぎる。寅を知り抜いている肉親母性はさくらが担っているので、ここではさくらと長山はツインエンジェルたり得ない。TV版の同窓会効果も表面的なものにとどまる。
最後に舎弟と再会、定番の仁義をきることになるのだが、ここでも二人ぴょんぴょん飛び上がるくらいでは、前半の悲劇性を回収できない。明るく終える花火の演出も不発に思える。山田洋次の手腕はさすがだが、前半後半がやはりバランス悪いと思う。
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