[コメント] 美しき諍い女(1991/仏)
延々描かれるデッサンを見て、本気の映画だなと嬉しくなった。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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このヌードモデルと画家との対決がじっくり描かれる中盤が素晴らしい。「下劣な男ね」「私は何もできん。絵画が求めるのだ」。ふたりの関係はヘビとカエルになぞられる。劣情は昇華され、素人にも美の奥深さが伝わってくる。
短編小説をたっぷり時間取って詳述する手法自体が素晴らしいと思わされる(『小犬を連れた貴婦人』もそんな映画だった)。長編小説のダイジェスト版みたいな映画と対極にある。ミシェル・ピコリが最初に絵筆持つまでの、机直したり部屋片付けたりのそわそわした感じなど、贅沢な映画の時間がある。
痴話噺とその秘匿の連鎖に至る終盤は比べてしょぼい。いつものお下劣をソフィスケートしたフランス映画のパターンで退屈。本作は高尚に纏めてほしかった。
中間色しか使わないと決めているような撮影はおフランスしていてとてもいい(すごいことに、ピンボケは一度もないのだ)。エマニュエル・ベアールの乳輪でかく両乳の離れた裸は美形とは思われず。ジェーン・バーキンの変な声は年取ってますます岸田今日子に似てきている。
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