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[コメント] 男はつらいよ 寅次郎紙風船(1981/日)

採点は、マドンナに対する個人的な好みの反映じゃないのかと言われたら、正比例している気は否定できない。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 煙草を吸う女性、ダメなんだよなあとか。死んだ夫を悪く言うなよ(しかもまだ1カ月)、とか。

  ☆  ☆  ☆

 柴又駅前で、光江(音無美紀子)は寅の気持ちを確かめる。聞き方は、気持ちのないことを確かめるという質問の仕方。寅を見続けてきた者からすると、もし光江がここで、気持ちのあることを前提に聞いてくれていたらなあと。寅も光江の気持ちを、気持ちのないことを聞く質問の仕方で確認しようとするが、これは寅の変えようのないキャラクター設定だから。こういう恋愛的決定場面での寅は、あまりにも頼りなさすぎる。28作目まで観てきて、いまさら「またか」と思う訳ではないし、また「もう飽きた」ということでもないが、こんなシチュエーションをもうあと20作も見せられんのかと思うと、初めて「つらいなぁ」という感情がわいた。その意味で、同窓会のシーンなどで寅の破天荒なヤクザ者の側面が久々に表れ、ドキリとさせられたけれど、かえって寅の駄目人間加減が強調された感。つらいよ。そういう映画だと自ら言っていて、ウソ偽りがあるわけではないけれど。リアルタイムで観ていた方々は、どんな風に受け止めていたのだろう。

 正月、とらやを訪ねる光江。この時の音無さんが、実に凛として美しい。寅との間の感情は、すっかりふっきれている風情。あくまで、お世話になったとらやさんへの義理を立てにきた。寅は、この場におりさえしない。男と比べたときの、女の強さよ。そんなことを演出家は描いているのかなと思いました。

 あと前作のレビューで書きそびれたが、満男役がプロの子役(吉岡秀隆)に変わっている。さすがに演技が上手く、ストーリーへの絡み方の増してきている感じがある。嬉しい期待感。

75/100(19/5/4見)

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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