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[コメント] 男はつらいよ 知床慕情(1987/日)

笑って、泣ける。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







三船敏郎淡路恵子の関係にまず泣ける。寅さんから「惚れてるんだろ」と言われて、真っ赤になって怒ったから、惚れてるに違いない、とにらんだ寅さんの洞察力もすごいが、そういうことを知りながら、やっぱり、そうだとはっきり言って欲しい淡路恵子の、いじらしさと数十年の人生の年輪を感じさせる心細さにも、「今言わなきゃ、一生いえないぞ」と寅さんに言われて、意を決して「惚れてる」と言った三船敏郎にも、泣ける。

そしてその夜、竹下景子に惚れてると言われて、真っ赤になって怒って、そのまま旅に出た寅さんにも泣ける。三船敏郎は、側に寅さんがいてくれたからこそ「惚れてる」と言えたけど、寅さんの側には『寅さん』がいないんだなあ、という人生のあや、にも泣ける。

最後、再び東京に舞い戻った竹下景子を見て、知床を後にせざる得ない、北の大地だ、豊かな自然だ、と言いながらも、過疎に悩む北海道の現実にも、泣ける。

生きることの、楽しさ、素晴らしさ、厳しさ、切なさ、悲しさ、そのすべてをありのままに伝える、寅さんには、やっぱり泣ける。

(評価:★4)

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