[コメント] 男はつらいよ 寅次郎物語(1987/日)
寅さんのあこがれと、切なさ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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明るい笑いが満載の映画だが、最後、寅さんは、追いすがってくる子どもを突き放し、さっさと島を後にする。
そして寅さんは「働くっていうのは、家族と子どものために、汗を流して両手を真っ黒にして働くことをいうんだ。それに比べれば、おれらの稼業っていうのは、口先三寸でいい加減なもんを売りつける。相手のほうも、そうとわかって買ってくださるんだよ」というような台詞を口にする。
日本全国を旅して暮らし、気ままに、おおらかに、人情味たっぷりで、好き勝手に生きているように見える寅さんは、映画を見るものにとって、間違いなく、一つの「憧れ」であり、「ああいう生き方をしてみたいなあ」と思わせる。
しかし、寅さんは、そんな自分は、「ダメな奴だ」と腹の底で思っているんだなあと、しみじみとさせた。だからこそ、子どもが母親と出会ったら、これ以上俺みたいな奴と一緒にいちゃあ、いけない、と子どもを突き放したんだろうなあ。
そういう生きることの切なさを、ぐっと感じさせた映画だった。
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