[コメント] 盗まれた欲情(1958/日)
長門裕之ってのは本当に素晴らしい役者だ。純日本的でいながら、どっか日本人離れしていて、軽快かつ繊細で・・・マキノ流悲喜劇を体現しているかのよう。
これは和製『ヴィルヘルム・マイスターの修行時代』なのだろうか?これがデビュー作となった今村の所信表明とも云える作品であるが、勿論それだけには納まらない日本映画史上の傑作の一つであると思う。この物語で描かれるソフトな断絶は、数年後の松竹ヌーベルバーグ大島渚作品ほどの直接的インパクトは伴ってはいないが、それに先んじるものである。
また黛敏郎のアコーディオンを駆使したフランス横丁風の劇中音楽が非常に心地よくおおらかな人間風景を一層際立たせていた。
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