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[コメント] 近頃なぜかチャールストン(1981/日)

いつもの喜八史観なのだろうが、本作は出鱈目が勝っているのが好ましく、緩い笑いで愉しめた。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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収束、腹切って死んだ陸軍大臣を乗せて行楽へ向かう詐欺師一行。これは当然に喜八版戦後の縮図であり、本作は8月15日で終わることも併せ、裏『日本のいちばん長い日』とでも呼べる内容だと最後に判明する仕掛けになっている。

すると小沢栄太郎以下の独立国は別に肯定されている訳じゃなく、軍国日本を切り捨て、詐欺を重ねて行楽に向かう戦後の揶揄だったということになるのか。ただ本作はこういう断定の具合がいつもより緩く、出た処勝負の出鱈目さと清濁併せ呑む度量の広さがあり、喜八史観を好まない私も愉しめた。

ともかく全編、名優たちが持ち味を発揮して気持ちがいい。私は財津一郎の刑事と大蔵大臣の千石規子(スリで財政を賄うというギャグが好き)が印象に残った。古館ゆきは『ツィゴイネルワイゼン』の麿赤児の旅芸人たちのひとりですね。

(評価:★4)

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