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[コメント] 天国の日々(1978/米)

上げ膳据え膳でアルメンドロス先生お願いします、という映画。夜明けや日の暮れの光線の美しさを堪能、火事も驚くほど迫力がある。野原の一軒家はやっぱりトリュフォーみたい。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







話が平凡なメロドラマになるのはリチャード・ギアの顔をみた瞬間に判ることなので許してあげたい。しかし、地平線に横たわるサム・シェパードの亡骸にありうべき神話性がないのは話が虚ろだからで、いくら映像が美しくても表現できなかったのは無理からぬところ。むしろ突然のバッタの襲撃のほうが神話度が高い。この物言わぬ悪意の恐ろしさは優れており、後年この監督はこれを忘れてしまったように思う。

子供に語らせる文学的なナレーション、ときどき耳にする手法だが、虚ろな(くどい)話にもったいないくらいいい味出している。「完璧な人などいない。誰でも天使が半分、悪魔が半分」。達観したもんだ。『お熱いのがお好き』もそういう話だったのかな。シェパードを早々に病んだ者とバラすのは観客に公平な視点を提供し、効果をあげている。

(評価:★4)

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