[コメント] 衝動殺人 息子よ(1979/日)
伝えたいテーマを真摯な態度で表現しようとする木下恵介。ただその意気込みが過剰となり・・・・これほど映画的魅力のない作品になるとは・・・
もちろんテーマの深刻性は理解する。身近で悲劇が起こらなければ、さらりと聞き流してしまうニュースのひとつかも知れないと思うと、この作品の持つ存在意義は重要である。
ただし、映画としてはどうだろう?監督の「熱い」気持ちが充分伝わってきた。問題はそれが「熱過ぎた」のだ。
いかにもとも言えるBGMや、繰り返し挿入されるカットバックの映像群。そういった手法が安直過ぎた感がある。あまりにも安直な作風は素人たる観客に次のシーン、次のカット、そして次のアングルまでをも予期させてしもうかのようだ。凡庸である。
公民館やら市役所ホールといった場所での公的な公開ならば文句は言うまい。残念なのはこれが商業映画であり、ビッグネームの監督による作品ということなのだ。
空回りした意気込みが、ビッグネームの腕を曇らせたのだろうか?
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