[コメント] はなれ瞽女おりん(1977/日)
これは篠田監督のベストであると同時に、宮川一夫であり武満徹であり水上勉原作映画としてのベストであるということだろう。篠田監督と共同で脚本を書いた長谷部慶次が相当重要な役割を果たしていることも申し添えなければなるまい。長谷部の仕事を見れば、それがとても価値の高いジョブであることが理解できる。今村昌平であり熊井啓であり市川崑ということである。
さて相変わらず土着性を重んじる水上勉の作品であり、宮川一夫のカメラが見事にその風景と情景を描写している。このドロドロした世界、この吸い込まれそうな世界観は必ずしも篠田監督のカラーではないだろう。
これだけのスタッフに支えられたこれだけの映画が後に存在価値を失ってしまうことが寂しい。
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