[コメント] 八甲田山(1977/日)
黒澤明監督の全盛期に助監督をしていた人と思うと、ガッカリしますよ。撮影時の苦労話だけは立派でしたね。でもね・・・。
やはりクロサワ好きの私にとってこの映画は愚作。原作に対しても解釈が違うのでは?と思わせる。消化不良な映画だったと言わざるを得ないですね。
片や大部隊、片や小部隊であって、片方が全滅し、片方が全員生き残った。という話には何の魅力もない。(こういう風に書くとネ)しかも最後のテロップで生き残った小部隊も本番の戦争で全員死にました、なんていうオチでは救いも何もない。こんな映画に何を求めれば良いのでしょうね。
これは上下関係の話、アホな会社の大社長より、中小企業の魅力ある社長の方が救われる、という話なんでしょ。違うのかな?でも映画はそのことを示してますよ。で、中小企業の高倉という社長と大企業の北大路という部長さんが仲良しでさ、北大路部長はいつも「うちのバカ社長じゃ全員死ぬ」と高倉社長にこぼしてた、みたいな関係なんじゃないでしょうかね。(少し強引かも)
さて今度は技術的なお話になりますが、まず暗くて見えない。誰?誰?誰?ん?あーあんただったの、という感じですね。ここが文句の良いどころ。クロサワ組で修行してきた監督にしては全くクロサワの良い部分を拾っていませんね。ズームは使うな、とか長回しとかね、そりゃこれだけの大スターを集めて、映画会社の企画で、本人の意思も何も及ばぬ状態ではあったかもしれませんが、全くクロサワ色が生かされてません。これ大変残念です。そりゃクロサワさんがこの題材を映画にするとは思えませんけども、それにしてもこれではどうも納得できない感じです。
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