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[コメント] フレンチ・コネクション(1971/米)

リアリティ偏重による映画的マジックの希薄ぶりにSO-SO
junojuna

 オールロケによる特にニューヨークのゴミゴミした景観が映画的な舞台として美しく、刑事ものという自由度の高い設定を配しながら、いかんせん実際にあった話に基づくというリアリティを偏重したあまり、人物造形、主人公の魅力を抽出するには至らなかった惜しい作品である。本作の持つムードはひじょうに映画らしいのだが、何かが足りないという欠落感が後味として残る。やはりジーン・ハックマンに移入せよとは無理な話なのだろう。この役者は悪くないのだがどうにも粗野で大味で、こうしたアクション映画の表面的な調子そのままに味わい深い映画内葛藤を生み出すにはどうにも限界を感じてしまう不適合なキャスティングである。主人公のモデルとなった人物を忠実に再現できたのかもしれないが、映画として際立たせるためにはもう少し工夫が欲しかった。しかし、ニューヨークの景観は映画的な魅力十分である。

(評価:★3)

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