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[コメント] デスペラード(1995/コロンビア)

やはり良さはクライマックスに尽きる
Bunge

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







前半は一応シリアスな雰囲気で物語が進む。ブシェミが死んだ瞬間がちょっとだけ悲しいくらいには。

前作エル・マリアッチは情熱の感じられる映画だった。それが続編になると「大作を撮れることを証明するために作った」とのロドリゲス談の通り、良い意味でも悪い意味でも地に足のついた感じ。好みの差はあるだろうが私はデスペラードのほうが好きだ。メキシコという国に食い扶持を見出し、いよいよ研ぎ澄ましたと言えるものがある。バンデラスとサルマハエックとの相性はぴったりだ。そしていかにも悪そうなボスのおっさんやナイフ投げのおっさんやバーテンのおっさんやタランティーノといった素敵なおっさんどもが加齢臭の漂った華を作品に添える。

何やらマフィアの世界の通過儀礼のようなものをクリアした若者が出現する。いよいよドラマが膨らみ、結実し、総括されるであろう想像は「最強の男たち」と「レッツプレイ」によって打ち砕かれる。ロケットランチャーを食らった雑魚が、ゴミ箱に投げられた使用済みティッシュのように飛んでゆく。思わせぶりに登場した若者と最強の男たちはあっけなく死亡する。バンデラスが全く悲しく無いカンパとキーノの死をシリアスに偲ぶ。なんじゃこりゃというしかない。B級映画の荒唐無稽さを確信的に取り入れメキシコという国に溶け込ませたロドリゲスは凄かった!

(評価:★4)

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