[コメント] イワン雷帝(第一部・第二部)(1946/露)
中庸? そんな言葉は聞いたこともない。と云わんばかりのやりすぎ映画。それはたとえば美術の豪奢さ。たとえば顔面への執着ぶり。エイゼンシュテインは「過剰主義」者だ。こんな過剰主義者が「理論」家だなんてまったく莫迦げている!
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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カラー・パートの毒々しい色使いには驚かされるばかりだが、そこで繰り広げられるミュージカル(?)はやりすぎ極まるという意味で全篇を通じてのクライマックスのひとつとなっている。屋外・屋内を分担したというエドゥアルド・ティッセとアンドレイ・モスクヴィンのカメラはともにすばらしいが、私は開放的空間/モブと顔面アップの対比がよく効き、「空」や「煙」が壮観な戦争アクションとしても成立している屋外シーンに殊に惹かれる。
皇帝イワンを演じたニコライ・チェルカーソフは、特にその声がよい。よく通る低い声が彼のキャラクタに納得性を与えている。
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