[コメント] ドゥ・ザ・ライト・シング(1989/米)
ラジオ・ラヒームの強烈なキャラクターが、当時密かに大受けだった。
私の近親者の間だけですが。
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粗々しい作りではありながら、感情のすれ違い、その積み重ねを丁寧に描き込んでいる為、暴動への盛り上がりに説得力がある。(してみると、サイマフ氏の言うとおり、緻密に計算された演出だった、ってことか。)
それはともかく、一日本人が1つの映画作品として見てしまうので、対岸の火事にしか見えないというのも事実だ。「プリンス」「ブルース」「プリンス」「ブルース」つまらない意地の張り合いの通底に横たわる、同時代を生きる共通感覚みたいなものに、むしろ目が向くのだが。
赤ん坊にスペイン語で話しかけるお婆ちゃんに向かって、“Speak English!”と叫ぶムーキー(スパイク・リー)の姿が印象的だった(この程度なら僕にも聞き取れるし)。これ以上異分子を増やさないでくれ!という痛切な願いは、彼ら自身が異分子として連れてこられた歴史を持つだけに、痛烈な皮肉でもある。
ちなみに私はプリンス派(でした)。
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