[コメント] 眠狂四郎無頼剣(1966/日)
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この映画の狂四郎、なにかとフェミニストなのだ。藤村志保演じる女芸人が侍から襲われそうになると、「この狂四郎、母の顔は知らぬが、女から生まれたことには違いはない、その女を傷つける奴は・・・」などと啖呵を切ったかと思うと、すかさず円月殺法。
で、助けた女に対しては今までだったら必ず体を要求してたくせにさぁ、しないでやがんの! 何、紳士ぶってんだ、サービス足んねえぞ、コラッ、だいたい・・・エロスが売りで・・・だからおれは飽きもせず・・・(以下略)・・・
(五分後)・・・ゼーゼー・・・で、なんでかっていうと、その女の手相の筋が母親と同じだからだとさ。「そんなのいつ見たんだよおいっ」、ていう突っ込みはなしね。なぜって? だって、これ「眠狂四郎シリーズ」だもん。
まぁそんなことより、一番気になったのが、狂四郎が結構わかりやすい「正義の徒」ってとこ。狂四郎のキャラって、「危険なことには首を突っ込みたがらない」、でも結果として「事件に巻きこまれてるよ、おれっ!」、「わっ、痛っ、なにっ?ゲッ、斬っちゃったよ!」っていう、表向きはクールさ装ってるけど、心の中は実は「半泣き」みたいなキャラがいいんじゃん。なのに、今回、大上段に構えて得々と正義を問いちゃうんデス。もぉっイヤン!
(結論)この映画って、「狂四郎シリーズ」としては結構評価が高いみたいだけど、きっとそれは狂四郎のキャラにスキがないからだろう。でも、おれ的にはそれじゃあ、おもしろくもくそもないんだよねえ。
きっと、シリーズの他の作品を観て、自分なりの狂四郎像をつくっちゃってるからだろう。独立した映画として見れば、確かに悪くないし、そういう見方こそが正しいのだけどね。それくらい、わかってますよ、ハイ。
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