[コメント] 007/トゥモロー・ネバー・ダイ(1997/米)
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ブロスナン・ボンドの第2作目。非常に現代風な演出がなされているのがブロスナン・ボンドの特徴だとも言えるが、これもやはりそれに沿った感じ。でも、それが悪いかと言えば全く逆。特に本作はブロスナン・ボンドの中でも最高傑作と思う。
前作『ゴールデン・アイ』も良い作品だと思うけど、後に残るものがなかったのは、全般的にディジタル処理が施されていて、いくら画面が派手でも、なんか軽く見えてしまったのが理由なんだけど、今回は肉体を使ったアクションが主で、ディジタル処理はそれをカヴァーする程度だったのが良かった。
それと今回は敵役が魅力的なのも大きな要因。今までのように物理的な支配を目指すのではない。狭くなってしまった世界を制するのはメディアであると言うのはあまりにも現実的すぎて、ぞっとするほど。メディア王エリオットが最後に目指したものって、中国におけるメディア権。これを聞いた時、時代を感じたなあ。その「あっ」と言わせる展開が本作の最大の見せ場だろう。
それにヒロインがとにかく強いってのも凄く良い。ミシェール=ヨーを起用した先見性には驚くばかりだよ。これまでのボンド・ガールと言えば、ファム・ファタール風の美女か、芯は強いけど、結局ボンドに頼るか弱い女性が多かったけど、今回のヨーは、ボンドを必要としてないほどに無茶苦茶キャラが立っていたし、何より本当に強い。この二人が一緒になってのアクション・シーンは本当に見せ場たっぷりだよ。
今回のボンド・カーはBMW。この見せ場もふんだんに出ているのも良い。性能をフルに使って(どう考えてもこんなの変だぞってギミックもあるのが嬉しいところ)、ぶっ壊れるまで走り回る姿は、これがやっぱり良いところだ。勿論、Qとのやりとりも忘れてないしね。
そういや、女性を拒絶するボンドの姿って、本作のみじゃないか?(笑)
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