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[コメント] ガタカ(1997/米)

日本の80年代の少女漫画SFと言う印象の、リリカルなストーリーで、なんだか懐かしい感じがしました。小学館や新書館と言うよりは、朝日ソノラマの印象です。
uyo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「社会性」よりも、「感受性」が大切な、ナルシスティックにして破滅的な所がとても少女趣味。

たとえば、大人の感性から言うと、イーサンが旅立ったあとの、ジュードには、次の新しい人生を歩み出して欲しかった。あそこで自ら命を絶つ事に、一瞬戸惑ってひるみました。けれど、彼は淋しさのあまり死んだのだろう。そう思ったら理解できたので、その哀しさにプラス1点。

ついでに、更に老婆心な事を言うと、このストーリーは「可能性」と「努力」の方向を、少しまちがっているのではないかと思う。こそこそと騙すように世間の裏をかくことは、本当の努力とは言えないような。本来なら、この体制自体をくつがえす方向に、力とエネルギーを持っていくことこそをした方がいいと思う。それは、土星に行く事よりも、もっとずっと人生をかけるにふさわしい生き方ではないのかなあ?(青臭いのが当たり前のジュブナイル作品に、この突っ込みは野暮は承知で)

そもそも、この作品にとって、「土星に行く事」は、「星が好き」だからではなくて、なんだか「ステイタス」の域を出てない感じのところも残念。そこの人生の選択を間違ってしまっている所も、作り手の若さゆえなのかな:同世代だからこそ、陥っている所がわかるけど。

(評価:★4)

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