[コメント] ライアーライアー(1997/米)
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本作は変幻自在の顔芸で売っていたキャリーが最も輝いていた時期の作品で、とんでもないオーバーアクションと、ころころと変わる表情を楽しむための作品。売りが売りだけに、キャリーが所狭しと画面の中を暴れまくり、口八丁手八丁顔八丁(?)で周り中を煙に巻く作品。本当に何も考えずに、その顔を観ているだけでも楽しい(この当時キャリーは本当にサービス精神満載だったらしく、撮影中にもアドリブでぽんぽんギャグを入れてしまい、スタッフ連中が笑ってしまってNGシーン連発だったのだとか)。
ただ、本作の場合それだけの作品ではない。超常的な事柄が起こり、そこで本当に大切なものを知るという、以降のシャドヤック監督の基礎が本作でしっかり作られているのも特徴的だろう。
物語には何の伏線もなく、いきなり超常現象が起こって、嘘がつけなくなってしまった弁護士という存在なのだが、弁護士というのは一応社会正義の仕事をしているはずだが、そのような人が、いかに人に対して嘘をつきまくっているのか。と言う部分の皮肉にもなっているが、馴れてくると当人は嘘をつくという行為自体に対し全く抵抗が無くなってしまう。それを見直すという意味でも皮肉が効いていて良いし、何よりそれがきちんと親子関係の修復に着地点を定めてるのが良い。
結果、無茶苦茶にやるだけやらせておいて、しっかり最後は泣かせる。アメリカン・コメディの最も重要な部分を見事に取り込んでバランス良く仕上げてくれた作品と言えよう。
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