[コメント] キングコング(1976/米)
ハリウッドは「町中に巨大生物が出現する」と言う構図が妙に好きだが、この作品以降、巨大生物には畏敬すべき点は認められず、単なる破壊者としてしか描かれなくなってしまった。一つの時代の幕を下ろした重要な作品。
**ネタバレ注意**
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1933年映画のリメイク。人間の身勝手さと傲慢さ、それを基調にコングの巨大さ、偉大さを強調しようとした作品なのだろう。だけど、それが成功したかどうかは別問題。哀しい程にコングが小さすぎるのだ。勿論人間と対比したときのコングは非常に大きく見えるのだが、ニューヨークのビル群の中に埋もれてしまったコングはあまりに卑小な存在にしか見えない(これは1984年度版の『ゴジラ』でも同じ)。しかも人間側の兵器が無機質な殺人兵器であり、それも強力だったため、易々とコングに致命傷を与えていく。昔の作品は複葉機を手で叩き落としたりして格好よかったのに、今ではヘリコプターのバルカン砲だけで簡単に胸に穴が空く。
偉大な存在としてのコングは既に無く、ただ巨大な生物。と言うだけになり果ててしまった以上、自然に反抗した人間への報いと言う構図は成り立たない。そもそもこれはリメイクしてはいけない作品だったのではないか?
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