[コメント] 評決のとき(1996/米)
裁判とは善悪を判断するシステムではない。人間が人間らしく社会を構成するシステムなのだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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不完全な人間が行う裁判は不完全なものでしかないし、 そこでは善悪などが判断されるべきではない。
確かに黒人少女を強姦して子供を産めない体にしてしまった白人二人を、 有罪にならないかもしれないという理由で判決が下る前に殺してしまい、 最後は無実。というのは客観的に見れば不正義だろう。
普通なら(土地柄)死刑になる場合でも、数年の懲役、 よくても情状酌量で執行猶予をつけるべきではないだろうか。 と我々は考えてしまう。
だが想像してほしい。痴呆症の介護に疲れ、伴侶を殺害した70代の老人を実刑にすべきだろうか? それが裁判制度の正義なのだろうか?
無罪は行き過ぎなのだけど、行き過ぎでなければ解決されない問題がある。
そして主人公がが手練弁護士であれば、ただの勧善懲悪ものになったであろうが、 若手弁護士だからこそ、主人公にとっても、差別社会に対しても、未来のある結末になっている。 と思います。
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