[コメント] キリマンジャロの雪(1952/米)
回想によるプロット構成がどうにも散漫、かつ展開は強引、という梗概レベルでの欠点が目立ってしまうが、しかしこれはレオン・シャムロイの色遣いを楽しむ映画だ。例えば、ベニー・カーターがアルトサックスのソロを聞かせるパリのバーのシーンなんて溜息モノです。
グレゴリー・ペックはグレーのツイードのジャケット。エヴァ・ガードナーは赤いドレスを着ている。二人が煙草に火をつけるアップカットのフィルムの触感。なんてエロティックなんだろう。或いはガードナーとの初めてのアフリカ旅行でのハンティング・シーン、キリマンジャロをバックに一行が歩いているフルショットの美しさにも打ちのめされるような感覚を覚える。また、ジョン・フォード+ロバート・サーティース、フレディ・ヤングが見せたような風景画的な画面が殆ど無いのもある種の潔さを感じる。
女優はスーザン・ヘイワード、ガードナー、ヒルデガルド・ネフとスター女優が3人出てくるが、ガードナーが全きヒロインでありヘイワードもいい役だがあくまでも二番手だ。ネフは出番も見所も少ない。
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