[コメント] 見知らぬ人でなく(1955/米)
何故にこんなに真面目なんだろう。期待をそそられない邦題も地味さを盛り上げてるなあ。隠れた傑作なのに。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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わっこさんにいろいろ先を越されてしまったが、意見が異なる部分もあります。
この作品は医療ドラマがメインだと思う。ただそれに負けないほど夫婦のドラマもしっかりしていて、両者が器用に噛み合っているように感じた。まさに縦糸と横糸の関係ではないだろうか。
ロバート・ミッチャムが見所だろう。ラスト近くまでどんなシーンでもポーカーフェイスを貫き通していて、ここのコメントにも「無表情ぶりが魅力的」などと書こうと思っていたら、違ったのだ。彼が友人の医師を死なせてしまったときに初めて見せる悲しそうな顔。マスクをしていて、目だけの演技なのに、こちらまで悲しくなってくる。全てはこのシーンへの「タメ」だったのだ。
で、ラスト。自分に必要なものに気付くシーン、つまり妻に再開しに行くシーンへと繋がるわけだが、この流れも極めて自然であり違和感を感じない。
改善点があるとすればやっぱり前半と後半の関連性がかなり薄いところだろうか。でも前半もそれなりの出来であった。今から50年前の話なのに「ブラックジャックによろしく」とさして変わらないんだなあ。当時としてはこの着眼点は凄いと思う。医療映画は余り観たことはないのだが、私の中ではナンバーワンだった。派手さの対極にあるのだが、死にかけた患者を徹夜で救う感動もののシーンをはじめ見ごたえのある場面に満ちている。「地味な良作」という評価が相応しいと思う。
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