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[コメント] グース(1996/米)

 野生動物はペットではない。
にくじゃが

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 グースが野生動物として生きていくのであれば、「人間を刷り込む」なんてのは最もやってはいけないことだ。野生動物として生きさせようとするならば、彼女がやったことは最も残酷なことだ。野生動物が人間を恐れなくなってしまったら、遅かれ早かれ、必ずそのせいで死ぬんだぞ。あのエイミーちゃんは、よちよち自分の周りを歩き回るグースちゃんたちに「カワイイですねー、私がママでちゅよー」とかやって、遊んでいるだけだ。

 しかもそのグース側の描写が「餌をくれる人になつくのは当たり前」という描写だけではテンでダメ。あれじゃあ「野生のグース」じゃなくて本当に「ただのペット」。人間と野生動物は本来住む世界が違うんだから、その両者が対峙したとき緊張感が生まれるのは当然でしょうが。なのにそういうのが全く感じられなかった。『ケス』の緊張感をみならえ。あれだって野生動物に手を出してしまった例だけれど、少なくともケスには野生動物としての気品みたいなのが感じられたぞ。だからあの二人の交流は緊張感をともなったすがすがしいものになるんだぞ。まあ、ペットとしては悪くないね。吠えないし、噛みつかないし。風きり羽根切っておくんだね。

 あのガキが、「来年までお母さんのことを覚えていてね」なんて考えてるとしたら、奴の耳をひっつかんでわめいてやりたいくらいだ。野生動物はペットではありません!あんたのやったことは猫かわいがりであって、グースのためにはなりません!勘違い動物愛護を振りまくな!そして、親子関係修復のためのダシに使うな!妙なドラマをくっつけるな!

(評価:★2)

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