[コメント] ブルーサンダー(1983/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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ダン=オバノンとドン=ジャコビーと言う『エイリアン』コンビが原案を書き、バダム監督がまとめあげたハイテク・ヘリコプター作品。
ヘリコプターをメインとした作品だと本作以外にも『アパッチ』(1990)が有名なのだが、何故か私は劇場の方で観た『アパッチ』に憎しみさえも覚えるほど嫌いなのに、何故かビデオでテレビ画面に封じられた本作はとても好きだったりする。でも、何故?と問われると、はっきり言って長い間よく分からなかった。SFだから良いのか?それともそのハイテク(もう死語だな)の描写が良かったのか?単に主役が良かったからか?
でも、たまたま二度目にビデオで観ることが出来たとき、その疑問は氷解した。
簡単だった。ブルーサンダーがとにかく格好良いのだ。それだけの話だ。
その格好良さというのがどこから来るか。と言えば、飛行している場所がロサンゼルスという街の上空だからこそ。
兵器を最も効果的に格好良く撮るのに最も必要なものは何か?
それは対象物。
度々引き合いに出して悪いが『アパッチ』の場合、砂漠が舞台だった。いくらたくさんのヘリが飛んでいようと、その周りの空間に何もないため、ヘリコプターの格好良さと言うもの、又恐ろしさというものが全く感じられない。それに対し本作の場合、目の前にビルがあり、下には通行人がいるのだ。それがあるだけでヘリコプターの怖さ、そして飛翔するヘリの美しさというのが格段に強く印象づけられる。しかも舞台の多くが夜ってのが良い。ブルーサンダーは単なるヘリコプターではない。まさに空を飛ぶモンスターなんだ(さすが脚本がエイリアン・コンビ。よく分かってらっしゃる)。
それがものすごい格好良さになっていたし、それと操縦するシャイダー演じるマーフィーが又良い。冷静ながら心は熱く、ストーリーが進むに連れ、殆ど殺人マシーンと化していくその描写。見事な演出力だった。
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