[コメント] 愛を乞うひと(1998/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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全てにおいて説得力がない。ハッタリ映画。やっぱハッタリ映画はハリウッドに限るな。最近ハリウッドがいかに優れているのかが分かってきた。
まず脚本がヌルイ。一言でいって何が言いたいのかわからん。虐待されても愛されたい、そんなネタは何十年も前からありふれてるし、俺の好きなネタでもある。こっちが知りたいのはそのネタ自体じゃなくて、ネタの見せ方、「どうして慕い続けるか」「どうして虐待するか」その「どう」の部分の具体的な内容と、その見せ方が大事なわけでしょ。この映画はその「どう」の部分を全部知らんぷりするという暴挙。俺は一体何を楽しめば良いのか?存在意義のわからん映画だな。
演出も大雑把。理屈じゃ言い切れない繊細なネタなんだから繊細に演出せえよ。
そもそもあの娘は何? 『キャスト・アウェイ』のウィルソンを思い出した。誰か話す相手がいないと主人公の心情を描く自信がないのだろうか。
「お母さんのバカ!」「イグサ!」 バチンッ ・・・このシーンは笑ったぞ。
一つだけ、ここの感想見て驚いたことがある。原田美枝子二役だって知らなかった。すまん。凄すぎるぞハラダさん。それにしても最後の再開シーンの豊子は若すぎて不自然だよ。
虐待してしまう親の話なら『アフリクション 白い刻印』がオススメ。そうだ、この映画がダメな理由をもう一つ見つけた。「虐待してしまう親」と「そんな親を見限れない子」の両方を同時に描こうなどと無謀なことをしたからだ。いやそれ以前の問題だけど。
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