[コメント] プライベート・ライアン(1998/米)
最初の大量殺戮シーンの異常さに4点。内容は0点。
私は『シン・レッド・ライン』のほうが好み。
完全に趣味の問題だろうけど、スピルバーグの作り出す衝撃は、いくら強くても「にぶい」。私の好む作家(テレンス・マリック含む)は、弱くても「鋭い」。ハンマーとナイフのような関係。これが、スピルバーグをはじめとするハリウッド色の強い作家の作品から感じられる「にぶさ」そのものだと思う。そういった作品は、少なくとも私の記憶にこびり付くことは無い。
現在、最大の懸案は、鋭く狂気を描き出してきたキューブリックの作品『A.I.』を、このスピルバーグが撮るという事。この『ライアン』の前半部分の狂気は強烈だが、やはり、表皮に留まる。突き抜けて深奥にまで到る先鋭さは感じられない。キューブリックの遺作が、スピルバーグの手によって、凡庸な作品となり、歴史に埋もれていくことにならないことを願う。
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