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[コメント] カンゾー先生(1998/日)

町医者でも、研究者でもどっちでもいいなー、マジで。そこに戦争が介入してくるのは、いやだよねえ。
夢ギドラ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







カンゾー先生の悩み、町医者として千人の患者を救うか、顕微鏡をのぞいて、百万人の患者を救うか。

医・薬・生命科学に志す人ならば、誰もがぶち当たる壁で、かなり悩みます。 カンゾー先生も、迷走するわけですけれど、正直、どっちでも良いよね。どちらも等しく素晴らしい仕事。どっちにするのかなー、と本作を観ていて思うわけです。

しかしながら、時代は、第二次世界大戦の真っ只中。終戦間際のドロドロの時期を描いているんで、選んでいる場合ではない。 カンゾー先生は自分の意志で、町医者の道を選んだと思っていますが、現実的に、この情熱ある医師に残された選択肢は町医者だけだったように思います。

戦争の罪深さって、こういうことかもしれません。選択肢を人々から奪ってしまうというか。

それと、呑気で馬鹿馬鹿しく善良な人たちの人生も本作の見所です。 「息子を男にしてくれ」と淫売娘に土下座するカーチャン。淫売のために役所のお金を使い込むにーさん。ゆで卵。幼馴染のために黙って人肌脱ぐ女将さん。陽気に歌いながら漁をする淫売娘。

なんて馬鹿なんだ!という描写に、思わず笑ってしまいます。

(評価:★5)

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