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[コメント] 祝祭(1996/韓国)

普段意識することはないが、日本人である自分にも儒教文化に根ざした血が流れていることを思い知らせてくれた。
緑雨

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







お婆さんは孫に年を分け、背を分け、知恵を分ける。そして自分は小さくなり、子供に還る。すべてを分け終わったとき、魂は消え、家を去る。「老い」に対する、なんと暖かいまなざし。心にじわーっと広がるような寓話。

「儒教は現実的な宗教だ。学問であり戒律である。生前の孝行は戒律であり、死後の孝行は宗教となる。葬儀は戒律と宗教が出会う重要な祭祀である。」この考え方がスーっと頭に入ってくる。

葬儀の猥雑な雰囲気。親族、近所の人、そして「こいつら何者だ?」というわけのわからん連中まで集まって、酔っ払うわ、賭け事はするわ。孝行や戒律はどこいったんだ?って感じだし、「最近の若い者はきちんと喪に服さない」と嘆く老人なんかもいたが、あのぐちゃぐちゃな雰囲気こそ、人々が生きている活気を現わしてるし、そこで巻き起こるいざこざこそ人間の営み。エネルギーを感じる。

あの人々は皆多かれ少なかれ故人と関係のあった人達。故人がいかに多くの人達と交わり、豊かな人生を送ってきたかを印象づけられる。ラストシーン、一枚の写真におさまった親族たち。あの人達はみんな故人のお婆さんの血を引いていると考えると、人間の血というものの強さを考えざるを得ない。

(評価:★4)

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