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[コメント] オリヴィエ・オリヴィエ(1991/仏)

身の置きどころがないという意味では、コレは立派な心理サスペンス。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







母親の溺愛振り、父親の虚勢と弱さ、姉の嫉妬、偽主人公のフテブテしさ。「そりゃないだろ」みたいな行動に出ながらも、非難しきれない部分をそれぞれが持ち合わせているトコロが困りモノ。見ていて感情移入なんか到底できないが、突き放せない部分がどこかしらにあったりして、終始宙吊り状態。一番正気を保っている感じの姉も、偽の弟の存在を信じ始めた時点でヤバい境界に突入。そして見えない弟の存在を暗示するような、ラストのブランコ。最大の被害者が、この展開の中では全てを操ってる加害者と化してしまったと思えてくる後味の悪さ。そして何ひとつ確かな存在のないこの世界、見ているコチラとしては到底身の置きどころなんてないデス。

醜い部分を強調して突きつけてくるようなあざとさもあるが、踏み外すギリギリのラインで、しっかり人間観察ができいるトコロなんかはかなり計算づく。のどかな田舎の風景とのコントラストも効果的。終始居心地が悪いので、キライという評価もあって当然だと思うけど、個人的には秀逸な心理サスペンスとしておきたい。

(評価:★4)

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