[コメント] パッチ・アダムス(1998/米)
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学長との対立関係が余りに勧善懲悪的に描かれている点が、事実をベースとした物語としては非常に不自然な感じを受けた(事実だとしたら、ボブ・ガントン演じる学長のモデルは一体どんな人なんだろう?そのことが気になってしょうがなかった)。それと(事実だったら、申し訳ないが)、カリンの死に方はラストのハッピーエンドを盛り上げるため、無理に悲劇を演出しているようで、何か非常に不自然だった。
と、まあ不自然な点を挙げればキリが無いし、そういう意味ではとても満点の映画ではないのだが、この映画をけなす気にはなれないし、実際、思いっきり涙してしまった。それは、おそらくパッチの信念には嘘が無いからだと思う。
”無闇に延命治療を施すよりも、生きていることに意味を与えてあげること、生きることの質を高めてあげること、人間性と尊厳とユーモアを与えてあげることの方がよっぽど大切だ。”このメッセージは心に響いた。
それにしても『レナードの朝』といい、ロビン・ウィリアムズは本当に白衣が良く似合う。本作でも、医学生時代の彼が白衣姿になった瞬間、本当に本物の医者のように見えてしまうから不思議だ。彼なら、医師免許無しで、患者を診察できるかもしれない・・・。
<追 記>
かつて、本物のパッチ・アダムス(ハンター・ドハーティ・アダムス)は、来日時の講演で、日本の医学生に対し、「自分の映画を見なくてよいから、『赤ひげ』を観なさい。」と言ったそうだ。映画『パッチ・アダムス』で彼が伝えたかったことは、実は『赤ひげ』が代弁しているような気がする。もし、本作を見て、パッチ・アダムスという人の生き方に共感を得たのなら、是非『赤ひげ』も観ることをお勧めする。きっと、本作に込められた彼の気持ちがもっと理解できると思う。
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