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[コメント] シン・レッド・ライン(1998/米)

これぞ反戦映画だと思いました。
sj

あまりに美しい自然の中で、人間はただ撃ち合って死んでゆく。この映画は、美を追求しながら醜を描き出すということに成功していると思いました。そういう点で「プライベート・ライアン」とは正反対のアプローチをしています。なるほど、スピルバーグの銃撃戦の出来は素晴らしく、そこから我々は戦争の醜さ、そして空しさを感じることができます。しかし、醜さは同じとしても、その空しさには違いがあるのではないでしょうか? 「ライアン」では、「こんな空しいことは繰り返すべきではない」という、言うなれば積極性のある空しさを見ました。しかし、「シン・レッド・ライン」には、絶望的な空しさを感じるのです。人間が争っている、そしてそこには木々が風に葉を揺らめかせている。この違いのなんたる大きさ! 人間であることを忘れたくなるようなその対比に、この映画の素晴らしさがあると思います。また、風景だけでなく、途中で挿入される音楽もまた美しい。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (5 人)たかひこ[*] Orpheus ミルテ[*] カルヤ[*] sawa:38[*]

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