[コメント] ワンダフルライフ(1998/日)
米の国と書きながら肉ばっか食ってると思ったら最近ではジャンクフードばかり食ってるらしい国の人が撮ると、決してこういう作品にはならない。想い出にすがるような事はせず、夢を叶えるために天使に24時間の猶予を与えられ再び地上に降りて大活躍するも、本当は幸せはすぐそばにあったんだね、というメーテルリンク的オチでメデタシメデタシという話になるだろう。(すいません、いい映画らしいんですけど『天国から〜』未見なもんで勝手な話を作りました)
私の独断ですが、是枝監督は、今日本で最も「固定ショット」が上手い監督だと思う。今回は手持ちカメラも多用しているが、いずれにしろフレームの切り取り方が絶品。私の理想とする静かで力のある画面がここにはある。編集のセンスもいい。映画的センスにあふれる監督だと思う。
で、絵は好みだが、この人の話の好みはいま一つ好みではない(ややこしい)。この映画、実はBSで観たのだが、約2時間全く飽きることなく観られた。面白かった(いろいろ思うこともあるが他のコメンテーターにゆずることとしよう)。だけどね
『幻の光』でも書いたが、この監督の好みは「過去」なのだ。皆が想い出を語るシーンはワクワクするほど魅力的だが、主人公達が能動的に動きだすと急にかったるくなる(だから後半ダレる感じがする)。その題材の選び方が悪いとは言わない。私の好みでないというだけだ。いかにも今の「日本映画」的で、間違いなくこれからの「日本映画」を背負う人材であることは認めるが、大ヒットを飛ばす監督でないことも確かだ。
設定もさることながら、取り上げる素材も面白い。老若男女はもちろん、セット・ロケ・特撮・子役といろんな撮影現場を盛り込んでいる。本当に映画的センスのある人だと思う。でも題材の好みが・・・(しつこい)
そういうわけで、期待しつつも、私の中で微妙な位置づけにいる監督なのだな。
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