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[コメント] 天井桟敷のみだらな人々(1998/米=スペイン=日)

いかにも俳優の初メガホンらしい作品。オ!となる構図が時々あるが、後はダレたり締まったりの繰り返し。笑えないお色気コメディなのか舞台人の哀愁劇なのかも曖昧。
mize

 お色気コメディとしてはエゲツなさすぎて引いてしまって笑えない。ただウォーケンのホモっぷりだけは面白い。しかしスーザン・サランドンにあんな事させたり、ビバリー・ダンジェロにあんな事させたり、やり過ぎ。あの巨乳(おデブ?)の女性は名前から察するに、監督自身の家族ではないでしょうか?俳優に乳首吸わせてますけど…。さすがに「淫らな人々」という感じで、しかもいきなり中盤で乱れまくるので唖然としてしまった。

 舞台をめぐる哀愁にしても、真新しい物は何もなかった。「私はいつでも自分を演じてるわ」というセリフにしても、既にどこかで聞いたことがあるし、なんといっても仲間たち全員に好感を持てないので疎外感を感じた。奥さんだけは真っ当なキャラだったけど…。

 いかにも初メガホンらしく時々良い構図を生み出していたが、まだ身についていないようで、それ以外の凡庸なカメラワークとのコントラストがかえって散漫な印象で逆効果になってしまった。第一、脚本を兼任している以上、映像よりもまず伝えたい物語があるべきなのだが、本作では舞台人が自意識過剰であるという事実以上に心に残るものがない。夫婦の愛情問題にしても、深く切り込んではいない。そしてキャラクターに魅力がない。

 演出以前に、もっと良い脚本を書いてから監督業に挑むべき。2時間というのも長すぎた。

(評価:★2)

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