[コメント] 砂漠の流れ者(1970/米)
これをペキンパーが撮ったという意外性を差し引いても問題なく傑作と呼べる作品。
ホーグ(ロバーズ)が愛する女との別離を覚悟してまでも達成したかった「復讐」の思いは、結果として無用な血が流れはしたものの、決してあの2人を死に至らしめたいなどという非情なものではなく、ただあの時に自分が感じた絶望を自らのものと感じ取って、彼らからの心からの謝罪を得たかっただけなのではなかったかと推察するし、少なくとも自分にはそのように受け取れる彼のキャラクターがただ愛おしくて仕方なかった。
加えてスティーヴンスの商売女という設定でありながらその身体中から発散される健康的なお色気や(水が重要な役割を果たす映画らしい、あの印象的な入浴シーン!)、ワーナー演じる牧師ら脇を固めるキャラクターの憎めなさ。さらに軽やかに時空を飛び越える編集の妙など、個人的な好みのうえでも堪らない作品であった。
あと、個人的な好みといえば、自分はこれほど下着姿が出てくる西部劇を知らないのだが、特に男どもが着るあの例のつなきの下着のユーモラスさは、取り立てて突飛な設定をせずとも十分な笑いがとれる好例としてこれからも引き継がれていきたいと思うセンスだ。
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