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[コメント] シャイン(1996/豪)

「くまんばちの飛行」を弾くシーンにゾクっとした。こういった、能ある鷹が爪を出す?シーンって好きだ。(例えばスーパーマンとか)
TOMIMORI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







私がラフマニノフという作曲家の名前を初めて知った作品であり、ピアノ曲が大好きになったきっかけでもあります。

数年ぶりに再見して思ったのはラフマニノフ3番を難曲扱いしすぎかなということで、初めて知った時はただひたすら「すげー」って思いながら聴いたが、今や誰でも弾きこなす曲だと知ってしまうとコンクールで最後ブっ倒れるところはギャグにしか見えない。あんなきっちり弾いてブっ倒れるかよと。あまり死ななそうな人がさんざん言いたいことを言って突然コロっと死ぬような都合のよいタイミングに似ている。調べると実際にはロンドン王立音楽大学時代に神経不安症となり帰国。その翌年に24歳で結婚し、結婚生活が破綻してから精神病が悪化し10年以上にわたって治療を続けたという。まあこれが映画的演出なのだと言えばそれまでなのだが。

そして父親が留学を許可しなかった理由は甘え(ことによると精神病の前兆)だったそうで、だとすればこの映画のように子離れできないただの頑固親父像とは全く違って見えるではないか。映画ではあの父親は自分の父親(デヴィッドのおじいさん)がヴァイオリンを叩き壊したからデヴィッドの夢を奪うのも当然だとでも言いたげで、ひたすらトンデモ親父としか映らなかった。

というわけで実話をかなり脚色しているフシがあるので、最初から架空のお話として見るのが正しい見方なのではないかと思う。ヘタにデヴィッド・ヘルフゴットの実像を知りたいと思い、CDを買ったりコンサートに足を運んだりすると失望する可能性があります。私がそうでしたから。

(評価:★4)

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