[コメント] バッファロー’66(1998/米)
愛すべきバカと愛せない馬鹿。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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弱いことは罪ではない。バカである事も罪ではない。しかし、愛されるバカには「あいつってバカなんだけど・・・」の「・・・」に微笑ましさと謙虚さがある。
「世界一優しい人」は、自分の都合で他人を突然拉致ったりはしないし、「いい人」は、持ってもいない金を賭けてギャンブルするような詐欺行為はしない。結果的に彼は、自ら犯した詐欺行為の代償に刑務所に入って罪を償った。のだが、出てくるなりまた己の都合で他人を拉致。五年も刑務所の中にいて何の成長もしないのか?これではとても愛せる弱さではない。
そんなどうしようもないダメ男ギャロを、リッチが愛するようになる説得力が著しく欠けている。言い換えればギャロのダメダメぶりを補う微笑ましさが描ききれていないように思う。たとえ最後に、「一度死んだ」ギャロが生まれ変わって自分を愛してくれるリッチとハッピーエンドを迎えたとしても
「勝手にやってくれ」
な気分で共感できないのだ。
時折挿入される回想シーンや、ラストの持っていき方にはとてもテクニカルなものを感じるだけに、非常に残念。
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