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[コメント] ラン・ローラ・ラン(1998/独)

いくら数かずの小細工が小賢しくても、いくら走り出す理由がくだらなくても、いくらローラの走り方がおかしくても、いくら音楽が鬱陶しくても、いくら恋人がペタジーニに似ていても、確かに眼に力が宿っていた。
グラント・リー・バッファロー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







各人物の眼のショットが印象に残った。

とりわけローラの眼が持つ力。運命はたいてい、彼女に辛い結果をもたらしてしまう。しかし、それでも彼女は運命に抗い、時空を越え駆け抜けていく。ただ走るだけではなく、彼女は少しずつ「過去」の経験から学んでいて、三回目の時には(多少なりとも)冷静な思考を手に入れていた。あらかじめ決められた不幸に収束していく可能性を踏み潰し、自分の未来を切り開いていったパワーの源は、やはり駆け抜ける若さ(正確に言うと、駆け抜けきれないなかで、それでも駆け抜けようとする意志)だったのだと思う。まごうことなき青春映画。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)埴猪口[*] ことは[*]

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