[コメント] オープン・ユア・アイズ(1997/仏=スペイン)
ごく安易に本作を特徴付けてしまいたければ、ディックとヒッチコックの融合とでも言っておけばあらかたの特徴をカバーしたことになるだろう。しかし、「あらかた」の部分以上に、瞬殺的なまでに魅力的な映像のところどころをひねた鑑賞者は愛してしまう。
無人の市街の非現実的に清潔な荒涼感とか、トルソとでもいうべき人体の静的造形美とか、たった一人の俳優だけが演じさせられるマスカレード劇のグロテスクな調和破壊の力とか、ラストシーンのダリ的に美しい青空とか、そんなものである。断片の力は侮れない。統一がなくとも、一貫性を説明できなくとも、映画は映画でありうる(ことがある)。
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