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[コメント] 熱海殺人事件(1986/日)

少なくとも21世紀の今日に観るべき映画ではないが、再鑑賞してなお★4
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







これは、アイデンティティーが崩壊する物語である。いや、正確には崩壊と再生と言うべきか。

「覚えとらんばい。」「便利な女だな。」「ハゲのくせに。」

それまで自分を支えていたアイデンティティーが一瞬にして崩壊する。竹田君志穂美悦子大滝秀治風間杜夫も、まるで土俵際の徳俵に足が掛かった状態でかろうじて自分を支えていた何かがふとした拍子に壊れていく。 ただし二階堂伝兵衛だけは別格だ。なぜなら仲代達矢だから(笑)。

大学時代に映画館で観てとても面白かった覚えがある。最近ケーブルテレビでやっていたので改めて観た。いやあ、意外といい話だと思うんだよねえ。うんうん。ま、映画としてはダメダメなんだけど。その証拠にこの監督、この一作で消えている。

少なくとも21世紀の今日、この映画に見るべき点は無い。あるとすれば志穂美悦子のブラウス肢体ぐらいだ。 今では分かりにくくなった事件ネタ、口に出せないような差別用語、とても現代で通用する代物ではない。 第一「総ての事件に動機がありドラマがある」という姿勢が現代では通用しないじゃないか。悲しいかな。

(評価:★4)

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