[コメント] 暴力脱獄(1967/米)
素晴らしいのはオープニングシーンだ。あまりに無意味な行動でブチ込まれる。わずか数分のシーンで刹那に生きる主人公のパーソナリティを見事に表現している。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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束縛を嫌いひたすら自由を求めながら、けっして悲壮感は漂わせることなくまるで楽しんでいるかのような余裕を失わない。やがて、そうすることを許さない世の中により惨い最期がもたらされる。アメリカン・ニューシネマな映画に共通するテイスト。
この映画は、主人公を取り巻く受刑者たちの姿を通して「行動しない無責任な大衆」に対する厳しい視線を突き刺す。安定したコミュニティーを確立し、異分子たるルークが入ってくるや最初は除外しようとする。やがて自分たちにはけっしてできないことを痛快にやってのけるヒーローだとわかるや一転喝采を送る。だがひとたび彼が失敗すれば手のひらを返したように失望し、酷い仕打ちを受けても誰も救いの手は差し伸べない。
「何はともあれ反体制」ってのは好きじゃない自分だが、長いものに巻かれながら生きている面は否定できないだけに、この視線は少々痛かった。
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