[コメント] 市民ケーン(1941/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
どこの国だろうがアンタッチャブルな人というのは存在する。アメリカの実在する新聞王ともなればそれは世界のメディアを牛耳る男って意味だ。ナベツネの10倍くらい凄い感じだ(いや、もっとか?)。
まあそういう人をネタにしてどこの馬の骨とも分らない学校出たての青年が映画でセンセーショナルな作品を作ったらそりゃ話題にもなるし必要以上にも絶賛されるだろう。例えば中国で
若干25歳の映画監督が「毛沢東」ぶった切りの映画を撮ってしかも今までに無い手法を使って生の毛沢東をリアルに表現した。当然国内の共産党は強烈に映像批判を展開。それに対抗する民主派勢力は作品を体制批判を含めて絶賛。お互いの報復合戦になるが映画界は共産党崩壊後毛沢東批判が自由に出来るようになったきっかけとしても中国映画界屈指の作品として紹介される…。
とまあこういう背景が強く感じられる作品だ。
そしてその背景を抜きにして語るこの映画の醍醐味はやはり1941年以前の作品の常識を認識して初めてどの位凄いか理解出来るもののはずだ。体操の天才、妖精コマネチが10点を出した時はホントにその凄さに驚いたものだが今あれをテレビで再見しても8点前後にしか見えない様にやはりコマネチ以前の常識や知識がないと厳しいものがある。であるのでアメリカ人や老齢の映画評論家が絶賛するからと言って納得する必要は全く無いだろう。
ただ映画にはその国の歴史や政治、時代の流れが大きく変わる転換点ともなった作品が当事者だった人達から高評価を受ける例は多々あるわけで何故この作品がこうも評価が高いのか、と調べてみる価値は十分にあると思う。
ちなみに最後まで謎だったバラの蕾だが「どうせ一番最初に出てきたソリの名前だろ?」とか思ってたんで大当たりだった。これがこの映画で一番言いたい事だ。俗っぽくてすまん。
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