[コメント] 天と地(1993/米)
トミー・リー・ジョーンズの使い方という点においては、某CMのほうが圧倒的に巧い。
一代記など無視してひたすら自分の撮りたいものだけを撮るか、もしくは3時間の大作になろうと一代記を撮り切ることに専念すればもうワンランク上の作品にも成り得たであろうに、ナレーションの多用という手法(苦肉の策?)からもうかがえるように、残念ながらストーンはその中間をとってしまった(あるいは、取らざるをえなかった)。結果、ところどころ見応えはあるものの、全体としては大河ドラマのダイジェスト版という印象が強く残る作品となってしまったのは(撮影のロバート・リチャードソンらが本当に素晴らしい仕事をしていただけに)惜しいことだと思った。
中でも後半満を持して登場したトミー・リー・ジョーンズの苦悩と、それが与える主人公への影響に関してはもっと掘り下げて語られるべきであったと思うのだが、舞台がアメリカへ移ってからが特に性急に過ぎた感がして、彼らしい存在感が十分に示されることなく終幕へと向かっていったのが個人的には非常に残念であった。
あと、これは私見だが、自分はこの作品に『ラスト・エンペラー』の影響を少なからず感じた。喜多郎の音楽にせよ言語の処理にせよ、ストーンがヒントにした部分が多々あったのではないかと思うのだがどうだろう。
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